欧州特許庁(以下EPO)は、2019年以降、最新の重要な特許動向を提供するためにいくつかの分析レポートを公表しています。これまでに公表された10件の分析レポートのうち2件は、バイオテクノロジー分野に関するもので、医療分野における革新的な将来技術や新興技術について解説しています。 本稿では、mRNAテクノロジー領域の中でも特に成長が著しい分野であるmRNAワクチンに関する最新のバイオテクノロジー・分析レポートに焦点を絞ります。
バイオテクノロジー特許の重要なトレンドとしてのmRNAテクノロジーについて
mRNAテクノロジー、特にmRNAワクチンは、ウイルス・細菌感染、がん、マラリア等、世界で最も広範に流行しかつ致死性である疾患の予防と治療を目的とした幅広い用途で、医療分野を根本的に改変する可能性を内包しています。 mRNAテクノロジーは、個人用がんワクチン等のオーダーメイド医療用途だけではなく、パンデミックの封じ込めに大きく貢献したSARS-CoV-2用mRNAワクチンに見られる公衆向けの広範な医療目的での開発にも適しています。したがって、mRNAテクノロジーは、多岐にわたる人類の苦痛の予防および治療のための適応型のツールボックスを提供すると言えます。
このような流れで、今年のノーベル生理学・医学賞とEPOの2022年欧州発明家賞が、mRNAテクノロジーの分野に授与されました。
分析レポートでは、EPOの全世界特許データのデータベースから抽出された特許情報が分析されました。全技術分野の発明総件数と比較して、mRNAワクチン分野の発明件数(mRNAワクチンに関連する国際パテントファミリーの件数)は、過去10年間で有意に高い増加率が認められました。
経済的期待の大きさを示す高い国際特許出願率
mRNAワクチンの特許出願のうち最も多数派の出願は、世界150カ国以上で特許保護の対象となり得る国際出願ルートを取っており、次いで米国出願、欧州出願、オーストラリア出願、カナダ出願、中国出願、日本出願となっています。分析レポートにもあるように、国際特許出願率の高さは、経済的期待の大きさとその期待に応じる形での多国家での商業化戦略の表れと見ることができます。
バイオテクノロジー分野における特許の重要性
特許は、他人が業として特許発明を実施することを排除する権利を特許権者に付与する法的権利です。 最近のEPO-EUIPOの調査”Patents, trademarks and startup finance”で示されているように、特許は、とりわけ最も知財集約的(IP-intensive)なバイオテクノロジーの分野で、投資を誘致し、ライセンス契約を確保し、市場の独占権を提供するのに大きく貢献し得ます。端的に言えば、特許により技術革新、技術の普及、経済成長が促進されるということです。
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アイデアの特許化は、発明の期待される強み、市場の可能性、予算の制約を考慮した上で行われる経営上の決定であると言えます。
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